転移性がん

がん(癌)の事実



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キーポイント

  • 細胞が異常になり、制御なく成長する場合、がん(癌)が生じます(質問1を参照)。
  • がん(癌)が始まった部分は、原発巣(げんぱつそう)、原発性がん(げんぱつせい癌)、原発性腫瘍(げんぱつせいしゅよう)と呼ばれる(質問2を参照)。
  • がん(癌)が始まった場所から、身体の他の部分にがん(癌)細胞が拡がる場合、転移巣(てんいそう)、転移性がん(てんいせい癌)、転移性腫瘍(てんいせいしゅよう)が生じます(質問3を参照)。
  • がん(癌)が拡がる場合、転移巣(てんいそう)は、原発巣(げんぱつそう)と同種の細胞で同じ名前を持っています(質問3を参照)。
  • 転移(てんい)の最も一般的な部位は肺、骨、肝臓、脳です(質問4を参照)。
  • 転移性がん(てんいせい癌)の治療法は通常、転移(てんい)の大きさおよび位置と同様に、がん(癌)の種類にも依存します(質問8を参照)。


用語確認(訳者より)

がん(癌)が始まった部分 身体の他に拡がった部分
原発巣(げんぱつそう)
転移巣(てんいそう)
原発性がん(げんぱつせい癌)
原発がん(げんぱつ癌)
転移性がん(てんいせい癌)
転移がん(てんい癌)
原発性腫瘍(げんぱつせいしゅよう)
原発腫瘍(げんぱつしゅよう)
転移性腫瘍(てんいせいしゅよう)
転移腫瘍(てんいしゅよう)
腫瘍(しゅよう)は自律的に増殖成長する細胞による塊。白血病は細胞は自律的に増殖するが血管内を流れている。

生命に関わらない良性腫瘍(りょうせいしゅよう:いぼ等)と生命に関わる悪性腫瘍(あくせいしゅよう:肺がん等)がある。

悪性腫瘍=がん(癌)


1.がん(癌)とは何ですか?

がん(癌)は多くの関連する疾病の集団です。がん(癌)はすべて細胞(組織を構築する塊)の中で始まります。器官および固体の組織から発生するがん(癌)は固形腫瘍(しゅよう)と呼ばれます。血球に始まるがん(癌)は白血病、多発性骨髄腫,リンパ腫と呼ばれます。
通常は、身体がそれらを必要としているので、細胞は成長し、新しい細胞を形成するために分裂します。細胞が古くなり死ぬ場合、新しい細胞はそれらに代わります。時々、この整然とした過程は誤ります。身体がそれらを必要としないときに、新しい細胞が生じ,本来,死ぬべき古い細胞が死にません。
余分な細胞は腫瘍(しゅよう)と呼ばれる組織の塊を形成します。腫瘍(しゅよう)は良性(りょうせい:がん(癌)でない)かもしれないし、あるいは悪性(あくせい:がん(癌))かもしれない。良性腫瘍(しゅよう)は身体の他の部分に広がりません。また、それらは生命に対する脅威はまずありません。悪性の腫瘍(しゅよう)は拡がること(転移(てんい))ができ、生命を脅かす可能性があります。

2.原発性がん(癌),原発性腫瘍,原発巣とは何ですか?

がん(癌)は、任意の器官あるいは身体の組織で始まることができます。始めの腫瘍(しゅよう)は原発性がん(げんぱつせい癌),原発性腫瘍(げんぱつせいしゅよう),原発巣(げんぱつそう)と呼ばれます。それは、始まる身体の部分あるいは細胞の型で通常名前を付けられます。例えば,肺から始まれば肺癌(はいがん)です.

3.転移とは何ですか。また、それはどのように起こりますか。

転移(てんい)は、がん(癌)の拡がりを意味します。がん(癌)細胞は原発性腫瘍(げんぱつせいしゅよう)から遊離することができ、血流か、リンパ系(感染と戦う細胞を製造し、保存し、運ぶ組織)に入ることができます。このようにして、がん(癌)細胞は身体の他の部分に拡がります。
がん(癌)細胞が拡がり,別の器官で新しい腫瘍(しゅよう)を形成する場合、新しい腫瘍(しゅよう)は転移巣(てんいそう)、転移性腫瘍(てんいせいしゅよう)、転移性がんです。転移性腫瘍(てんいせいしゅよう)中の細胞は元の腫瘍(しゅよう)から来ます。これは、例えば、乳がん(癌)が肺に拡がる場合、肺の中の転移性腫瘍(てんいせいしゅよう)はがん(癌)の乳腺細胞(肺細胞ではない)から構成されることを意味します。この場合、肺の中の疾病は転移性(てんいせい)乳がん癌)(肺がん(癌)ではない)です。顕微鏡で、転移性(てんいせい)乳がん(癌)細胞は一般に乳腺中のがん(癌)細胞と同じに見えます。

4.がん(癌)はどこに広がりますか?

がん(癌)細胞は身体のほとんどどの部分にも拡がることができます。がん(癌)細胞は,しばしば原発性腫瘍(しゅよう)近くのリンパ節(リンパ組織の丸いもの)に拡がります(所属リンパ節)。これはリンパ節転移あるいは局所病変(きょくしょびょうへん)と呼ばれます。他の器官に、あるいは原発性腫瘍(しゅよう)から遠くのリンパ節に拡がるがん(癌)は、転移性病変(てんいせいびょうへん)と呼ばれます。医師は時々これを全身病と呼びます。
固体腫瘍(しゅよう)からの転移(てんい)の最も一般的な部位は肺、骨、肝臓,脳です。身体の特定の部分に拡がる傾向があるがん(癌)があります。例えば、肺がん(肺癌)は、しばしば脳か骨に転移(てんい)し、結腸がん(けっちょう癌)は頻繁に肝臓に広がります。前立腺がん(癌)は、骨に拡がる傾向があります。乳がん(癌)は、一般に、骨、肺、肝臓,脳に広がります。 しかしながら、これらのがん(癌)の各々は、身体の他の部分に同様に拡がることができます。
血球が身体の全体にわたって移動するので、がん(癌)が診断された場合の白血病、多発性骨髄腫,リンパ腫細胞は,通常局所にとどまっていません。がん(癌)細胞は、血液、いくつかのために実行されたレントゲン写真や他のテストで見つかります。
転移がん(てんい癌)の症状が生じる時、症状の種類および頻度は転移(てんい)の大きさおよび位置に依存するでしょう。例えば、骨に拡がるがん(癌)は痛みを引き起こし、骨折するかもしれません。脳に拡がるがん(癌)は、頭痛、けいれんおよびふらつきを含む様々な徴候を引き起こすことがあります。息切れは肺転移(てんい)の表れかもしれません。腹部膨満あるいは黄疸(皮膚の黄色化)は、がん(癌)が肝臓に広がったことを示すことができます。
時々、転移腫瘍(てんいしゅよう)が徴候を引き起こした後になってやっと、人の原発性がん(癌)は発見されます。例えば,前立腺の原発性腫瘍(しゅよう)からのどんな徴候も出現する前に、骨盤の骨にその前立腺がん(癌)が広がった人は、腰痛(骨のがん(癌)によって引き起こされた)を持っているかもしれません。

5.医師は、どのようにしてがん(癌)が原発性か転移性腫瘍か分かるのですか?

腫瘍(しゅよう)が原発か転移(てんい)かどうか決めるために、病理学者は、顕微鏡で見た腫瘍(しゅよう)の標本を検査します。一般に、がん(癌)細胞は、がん(癌)が始まった組織中の細胞の変形のように見えます。専門の診断検査を使用して、病理学者は、がん(癌)細胞がどこから来たかしばしば診断することができます。 がん(癌)細胞で、あるいはそのがん(癌)細胞上で見つかったマーカー(標識)あるいは抗原は、がん(癌)の原発部位を示すことができます。
転移性がん(てんいせい癌)は、原発性腫瘍(しゅよう)の前か同時、あるいは数か月か、数年後に見つかるかもしれません。過去にがん(癌)のために治療された患者で見つかる場合、新しい腫瘍(しゅよう)は多くの場合別の原発性腫瘍(しゅよう)より転移(てんい)です。

6.原発性がん(癌)がないのに、転移性腫瘍があることは可能ですか?

どんな転移性腫瘍(てんいせいしゅよう)も、常に身体の別の部分のがん(癌)細胞から始まります。ほとんどの場合、転移性腫瘍(てんいせいしゅよう)が最初に見つかる場合、原発性腫瘍(しゅよう)は見つけることができます。原発性腫瘍(しゅよう)の捜索は実験室検査、X線,他の検査です。しかしながら、少数の場合では、転移性腫瘍(てんいせいしゅよう)は診断されるが、徹底的な検査にもかかわらず、原発性腫瘍(しゅよう)を見つけることができません。病理学者は、細胞が腫瘍(しゅよう)が見つかる器官か組織中のものに似ていないので、腫瘍(しゅよう)が転移(てんい)であること診断します。医師は原発性腫瘍(しゅよう)を不明か、潜在 (隠された)と呼び,また、患者は原発巣(げんぱつそう)不明がん(癌)にかかっていると言われています。診断の技術が絶えず改善しているので、患者は原発巣(げんぱつそう)不明がん(癌)の数は減っています。

7.どの治療が転移性がんのために使用されますか

がん(癌)が転移(てんい)した場合、それは、化学療法、放射線療法、生物学治療、ホルモン療法、外科療法、凍結手術あるいはこれらの組み合わせで治療されるかもしれません。治療の選択は、一般に原発性がん(癌)の型、転移(てんい)の大きさおよび位置、患者の年齢および健康状態、患者が過去に受けた治療の種類によります。原発巣(げんぱつそう)不明がん(癌)を持った患者では、たとえ原発性腫瘍(しゅよう)が捜し出されていなくても、疾病を治療することが可能です。治療の目的は、がん(癌)を制御するか、治療の徴候あるいは副作用を取り除くことでしょう。

8.転移性がんの新しい治療法は開発されていますか?

はい、多くの新しいがん(癌)治療が研究中です。新しい治療を開発するために、米国癌研究所は、国中の多くの病院、大学、医学校,がん(癌)センターにおけるがん(癌)患者に対する臨床試験(調査研究)を後援します。臨床試験は治療改善の重大な一歩です。どんな新しい治療も一般的な使用に推薦することができる前に、医師は治療が患者にとって安全か疾病に対して有効かどうか知る研究を行ないます。そのような研究の結果は、がん(癌)の治療だけでなく,疾病の発見、診断,予防の中でも同様に進歩を導いてきました。臨床試験に参加することに興味を持つ患者は、担当医師と話すべきです。

2004年1月9日 / 翻訳 2004年11月 秋葉直志